登録有形文化財 旧大田黒家住宅洋館と紅葉
2023.11.30
秋も深まり紅葉の美しい季節となりました。
今回は紅葉が見頃(11月下旬)の大田黒公園と旧大田黒家住宅洋館に行ってきましたのでご紹介します。
住所:東京都杉並区荻窪3丁目33-12
敷地面積:8,972.31㎡
大田黒公園は音楽評論家 大田黒元雄氏の屋敷跡を日本庭園として整備した公園で、大田黒氏の仕事場である旧大田黒家住宅洋館が記念館として公開されています。
大田黒氏は日本に初めてドビュッシーやストラビンスキーを紹介したほか、60年にわたって日本の音楽の育成に貢献した人物です。
正門をくぐると70mにわたるイチョウ並木が迎えてくます。都会の喧騒から離れ別世界に来たそんな気分させられます。
庭門をくぐると木立と共に見えてくる水の流れは、ゆるく起伏する地形を活かした自然の流れにより池へと注がれます。
お茶会ができる数寄屋造りの茶室や、井筒のある中庭が見える休憩室もあります。
大田黒元雄氏の住宅の離れ(仕事部屋)として昭和8年に建築された旧大田黒家住宅洋館は、1階部分を見学することができます。
当時としては珍しいレンガ色の西洋風の建築です。
この洋館は時代の特色をよく表し、再び造ることのできない貴重な文化財として国の登録有形文化財となっています。
照明器具は大田黒氏が生前生活していた昭和8年当時のものが展示されています。
洋風に装飾されたカーテンレールや窓ガラス、壁紙など大田黒氏のこだわりを感じることができました。
タイルを思わせる銅色の濃淡をつけた碁盤模様の特色ある壁紙が照明とマッチし、部屋の雰囲気を暖かく落ち着いたものとしています。
公園敷地内には庭園の他、記念館や茶室など複数棟の建物がありますが、和と洋の調和がとれており、お互いが全体の雰囲気や景観をよりよいものにしていると感じました。また、敷地の特性を生かした配置計画も勉強になりました。
紅葉シーズン以外にも四季折々の草花が楽しめる回遊式日本庭園や旧大田黒家住宅洋館は一見の価値ありです。お近くに来た際はぜひ訪れてみてください。